学校の体育,と言えばとび箱を思い出す人も多いのではないでしょうか。今回はそのとび箱と「達成感」の関係について思うことを書きました。
★以下 平成24年1月20日学級だより「すきやき」より★
個人的にはこのとび箱,ちょっと力が入ってしまいます。その理由が「達成感」です。
たとえばサッカーでは,「ゴールが決まった!」と喜ぶのはもちろんですが,他にも「パスがうまくできた」とか「相手の攻撃を防いだ」というように,いろいろな達成の形があります。
水泳でも,「クロールができた!」だけでなく「顔を水につけられた」とか「プールの底に触れた」というように,いろいろな達成の形があります。
そうやって少しずつ達成感を味わいながら,最終的には「試合に勝つ」とか「25m泳ぐ」というような目標を目指すわけです。
ところが,とび箱は「とべた」というたった1つの目標に向かう活動です。いくら「踏み切りがうまくいった」とか「着地は完璧だった」と言ってみても,とべなければ達成感は得られないのです。とべるか,とべないか。このシンプルさがとび箱の面白さであり,教師にとっての怖さでもあります。だから「つい力が入る」のですね。
実際の体育の授業では,時間を区切って「縦開脚とびで高さに挑戦する」「がんばればできそうなとび方に挑戦する」という2つのめあてに向かって取り組んでいます。
「がんばればできそうなとび方」というのは,「縦開脚とび」「横開脚とび」「かかえこみとび(閉脚とび)」「台上前転」の4つで,それぞれが技を選んで練習に取り組みます。
この練習というのが難しい。
とび続けていればいつかできる,というわけではありません。それぞれの技とひとりひとりの技量に応じた練習方法があります。コンピューターの映像教材で模範となるとび方を見てイメージしたり,こつや練習方法の書かれた資料を見たりしながら,友だちと協力して進めていきます。
たとえばサッカーでは,「ゴールが決まった!」と喜ぶのはもちろんですが,他にも「パスがうまくできた」とか「相手の攻撃を防いだ」というように,いろいろな達成の形があります。
水泳でも,「クロールができた!」だけでなく「顔を水につけられた」とか「プールの底に触れた」というように,いろいろな達成の形があります。
そうやって少しずつ達成感を味わいながら,最終的には「試合に勝つ」とか「25m泳ぐ」というような目標を目指すわけです。
ところが,とび箱は「とべた」というたった1つの目標に向かう活動です。いくら「踏み切りがうまくいった」とか「着地は完璧だった」と言ってみても,とべなければ達成感は得られないのです。とべるか,とべないか。このシンプルさがとび箱の面白さであり,教師にとっての怖さでもあります。だから「つい力が入る」のですね。
実際の体育の授業では,時間を区切って「縦開脚とびで高さに挑戦する」「がんばればできそうなとび方に挑戦する」という2つのめあてに向かって取り組んでいます。
「がんばればできそうなとび方」というのは,「縦開脚とび」「横開脚とび」「かかえこみとび(閉脚とび)」「台上前転」の4つで,それぞれが技を選んで練習に取り組みます。
この練習というのが難しい。
とび続けていればいつかできる,というわけではありません。それぞれの技とひとりひとりの技量に応じた練習方法があります。コンピューターの映像教材で模範となるとび方を見てイメージしたり,こつや練習方法の書かれた資料を見たりしながら,友だちと協力して進めていきます。
「手を着く位置はもっと前に!」(縦開脚とび)
「台の上で回るときは首を曲げて!」(台上前転)
練習が熱気を帯びてくると,体育館にはこんな声が飛び交います。そしてあるとき,
「やったー!○○さん,できたやん!」
「できたー!」
という声と拍手。見ると,同じ場所で練習していた子どもたちが仲間の成功を一緒に喜んでいます。「友だちが成功したらみんなで拍手しましょう」なんて言っていません。どうすればとべるようになるかを自分たちで考え,練習場所を工夫し,声をかけあいながら練習したからこそ,友だちの達成に共感できるのだと思います。
体育は運動の仕方を学ぶ教科です。しかしそれだけではありません。技量に応じて練習の仕方を考えること,練習のための環境を整えること,そして仲間と協力して取り組むこと。そんなことも学んでほしいと考えています。
私も「とべた!」の瞬間に立ち会いたくて,もう少しでとべそうな子の傍で必死に声をかけています。今日金曜日がとび箱最終日。子たちは,達成感をもって「○段とべるようになったよ」「○○とびができたよ」と,胸を張って言ってくれるでしょうか。
おうちでの報告を楽しみにしておいてくださいね。
★補足★
自分は何を伝えたかったのかという視点で読み直すと,毎度のことながらこの★補足★が欠かせません。出してしまったおたよりの文章には手を加えられませんので,今回もこの補足でちょこっとだけ申し開きをさせていただきます。
私は体育の専門ではありませんので偉そうなことは言えませんが,とび箱の指導においても「いろいろな達成の形」を設定し,子どもに意識させることは可能だと思います。実際にクラスの子どもたちの中には「さっきより手を着く位置が良くなった」とか「踏み切りが合うようになった」ということに達成感を覚え,手ごたえを感じている子どももいました。
しかし「とべた!」という達成感は,それをはるかに凌ぐものです。体育館の端からでも「先生,とべたで!」という喜びの声は聞こえてくるのです。
「がんばったら報われる」なんていうことを気軽に口にできるほど,世の中は簡単じゃありません。
でも,少なくとも小学校の体育でとび箱に向かうときぐらいは,「正しい努力を続ければ,とべるようになるんだ」と感じさせてやりたいと思うのです。
(チーム競技とは異なり)個人の努力がそのまま結果につながること。
その「結果」は,「とべた・とべなかった」のどちらかしかないこと。
やっぱりとび箱は,私にとってのモンスターボックスです。
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