2012年1月16日月曜日

2011年の終わりに

とっくに2012年は始まっていますが,今さら年末の話題です。
「一年を振り返る」というと,一般的にはその一年間の大きなイベントや事件を振り返って「ああ,こんなこともあったなあ」という感じですよね。もちろんそういう振り返りも大切だと思います。
でも,せっかく学校で「一年を振り返ってごらん」と言うからには,こんなことも考えさせたいなあと思って書いたおたよりです。


★以下 平成23年12月22日学級だより「すきやき」より★


4月にスタートして,9か月が過ぎようとしています。2011年の終わりも近づき,子どもたちも私もひとつの節目を迎えます。振り返ると,あっという間の9か月間でした。

子どもたちに,2011年の思い出を尋ねると,運動会や学習発表会,縦割り遠足というような行事を挙げます。多くの時間を費やして準備を重ねたり,緊張で眠れない前夜を過ごしたり,あるいはこれまでに無かったような経験をしたりと,行事を通して子どもたちが得るものがそれだけ大きく,鮮明に残るからでしょう。そういう大きな行事で,子どもたちがいつも以上に多くを学び,ぐっと成長することは事実です。

それだけに,私たち教師はつい学校行事に頼ってしまうところがあります。「みんなで協力して○○を成功させよう!」「もう少しがんばれば○○だ!」というように,ひとつずつの行事を「協力する目的」や「努力する目標」にしてしまうのです。では行事がないときは,協力しなくていいのでしょうか。がんばらなくていいのでしょうか。
もちろん違います。本来なら,1時間1時間の勉強や休み時間での友だちとの関わり,給食など,学校で過ごす全ての時間で,子どもたちは協力することや努力することを学んでいきます。そうして高めた力を発揮する場として,行事があるのだと思います。行事のあるなしに関わらず,いつでも仲間と協力し,いつでも努力できる人であってほしいと思うのです。

1年間の行事の多くが終わったこの時期,私がいつも気にしていること。それは,子どもたちが,大きな行事だけでなく,普段の学校生活の積み重ねの中で成長してきたことを自覚できているか,ということです。「学習発表会で○○をがんばった」「運動会で○○ができるようになった」という短期間での成長だけでなく,「3年生になっていつのまにか○○がうまくなった」とか「2年生のときにできなかった○○が今年はできるようになった」というような,長い時間をかけた自分の成長を見つけられるようになってほしい。そうやって自分自身の成長を(どんなに小さなことでも)発見できる力,それがこれからの人生を豊かに生きぬく力のひとつだと思うのです。そんなことを考えながら,これまで指導してきました。

お正月に家族でゆったりと過ごしながら,前の1年間で自分が成長したことや,新しく学んだことを「家族の10大ニュース」として競い合うのも面白そうです。

どうぞよいお年をお迎えください。


★補足★


ちなみにこの「家族の10大ニュース」,私の実家では今でも毎年行っています。5人家族がそれぞれの思う「我が家の10大ニュース」をノミネートし,互いに投票し合いながらその年のベストテンを決めるのです。
具体的には「A太郎,○○のコンクールで銅賞!」とか「B次郎,国語のテストで初めての100点!」というように,それらしい見出しを書いて話し合うのですが(紅白歌合戦を見ながら),これはこれでなかなか面白いものです。
今年の年末には(12か月も先の話ですが),ぜひ試してみてください。







ブログランキングに参加しています。「オモシロイ!」と思った方は,拍手代わりにポチッとお願いします。(クリックすると外部サイトに飛びます。お手数ですがブラウザの「戻る」ボタンでお戻りください)
にほんブログ村 教育ブログ 小学校教育へ

0 件のコメント:

コメントを投稿