2011年12月20日火曜日

「教室はまちがうところだ」なんだけど

何かの学習問題に取り組かかるとき,人がもっとも成長する瞬間はいつだと思いますか。

1,問題に出会うとき
2,答えに近づこうとするとき
3,答え合わせをするとき

1,2を大切にしたうえで,という前置きはつきますが,私は「3,答え合わせをするとき」がとても大切なのではないかと考えています。
この週はそんな「答え合わせをするとき(した後)」の中でも「まちがえたとき」に,そこから何をどう学ぶかということについて指導していることを書きました。


★以下 平成23年12月9日学級だより「すきやき」より★


先日の学習発表会で,2年生の発表した群読の中に「教室はまちがうところだ」がありました。原文は2004年に発売された絵本です。教師をしていると,どこかで一度は出会う本ではないかと思います。私自身,何度も読んで,子どもたちを励まし自分を励ましてきました。

この「教室はまちがうところだ」ですが,私が子どもたちに話すときは,もう少し付け足しています。

誰にだってまちがえることはある。まちがえてばかりでもいいじゃないか。
だけど,次にまちがえないように考えたり練習したりすることが大切だ。

簡単に言うと「まちがいをそのままにしたらいかん」ということです。例えば宿題の漢字練習。

4月当初,多くの子どもたちにとって宿題の直しは「ついで」でした。
今日の宿題を終えてから,前日の宿題に貼られた付箋を見て「どれ,直しでもするか」と始める子どもはまだいい方で,私がいくら付箋を貼ってもどんなにお手本の字を書いてもほったらかし,という子どもがたくさんいました。あの手この手で子どもたちに言い聞かせ,直しをしている人が次はまちがえずに書けるようになった様子を見せ,それらを何度も繰り返しながら,ようやくほとんどの子どもが当たり前のように直しをするようになりました。

また,直しの仕方についても指導してきました。私は「ここ,まちがってるよ」という印に,×ではなく線を引きます。ところが「ここを直さなくちゃいかんのだな」と理解した子どもは,おもむろにゴシゴシと消し始めるのです。どこがまちがっているのかお手本と見比べたり,まちがいを探したりすることなく,とりあえず消すのです。これでは次に同じ字を書くときに「○○に気をつけて書こう」というような成長はありえません。同じように何度も何度も言い聞かせ,実際に直しをする様子を見せ,どこがまちがっているかを尋ねているうちに,ようやく消す前に考えられる子どもたちが増えてきました。

毎日欠かさず出している宿題ですが,「前日のまちがいを直す」→「まちがいに注意して今日の宿題をする」という学びのステップを身に付けるのにここまでかかりました。時間はかかりましたが,まちがいなく子どもたちは意味のある宿題ができるようになっています。

次なる課題はテストの直しです。
学校で実施したテストは,返した後すぐに直しをして提出するように指導しています。全員が直しをする時間が学校で確保できる場合はいいのですが,そうでないときもあります。子たちが持ち帰ったテストに直しの跡がないときは,

次にまちがえないようにすることが大切だ 
by田中先生

と声をかけてあげてください。お願いします。


★補足★


かつて,高校時代の数学の先生は,こんなことを言っていました。

「問題集を買うときは解答を見ろ」

答えだけを羅列してあるような問題集は買うな。解説が詳しく載っているものを選べ。例えばこういうものだ。
そう言いながら彼が取り出した某問題集は,解答・解説だけで本全体の半分の厚さを占めていました。問題のひとつひとつに対して驚くほど丁寧に解説が加えてあり,つまづく者を見事に正解へと導くものでした。その本を手にして以来,私は問題につまづいたときに「こんなん,どうしたらええねん」と思いながら解答・解説を開くのが楽しみになっていました。

子どもたち失敗やつまづきを楽しめとは言いません。「失敗は成功のもと」と言うように,「間違えたときこそ賢くなるチャンスだ」ということを伝えたいのです。失敗や間違いを「消しゴムで消して,なかったことにしてしまう」のではなく,「どこが違うんだろうか」と向き合える人になってほしいと思うのです。

その大前提として,「まちがいを大切にできる学級」が重要なんだと思います。そのあたりの取り組みについてはまたの機会に(最近,このパターンが多いな…)

教室はまちがうところだ」,お読みでない方はぜひ。




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1 件のコメント:

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