2011年12月12日月曜日

褒める,認める,価値づける

あなたは,褒められて伸びるタイプですか? それとも叱られて伸びるタイプ?
私は,同じだけ伸びるならできれば褒められたいと思っているタイプです(笑)。

ところで「じゃあどう褒められたいの?」と聞かれると,これはなかなか難しい。同じことばかり褒められていると「それしかないのか私…」と思ってしまいそうだし,あからさまに「スゴーイ!」なんて褒められると「どうせお世辞やろ」と斜に構えてしまいそうです。

この週は「褒める」について考えていることを書いてみました。


★以下 平成23年12月2日学級だより「すきやき」より★


子どもの力を褒めて伸ばそう――

子育てに関わっていると,何度となく耳にするフレーズです。
確かに,誰だって褒められて嫌な人はいません。ところが実際には「褒める」って難しいですよね。

「良いところを褒めたくても,悪いところばかりが目につく」

「褒めようにも,いつも同じことばかりで,他に褒めるところがない」

そんな声があちこちから聞こえてくるようです。私も子どもたちと向き合いながら,絶えず悩んでいます。そこで,「最近,怒ってばっかりだなあ」と思うときには,こんなことを心がけています。


結果ではなく,過程を褒める。
「上手に書けた(描けた)ね」とか「友だちと仲直りできたね」というように,「書けた」「仲直りできた」という結果ではなく,「書こうとしている」「仲直りしようとしている」という姿勢(過程)を褒めるということです。
「上手に書く」「仲直りする」という姿勢が見える場合はもちろんですが,「集中している」とか「計画的(積極的)に取り組んでいる」ときも「いい字が書けそうだね」「うまくいきそうだね」と褒めることができます。


当たり前のことを褒める。
「自分のはいたスリッパを並べたんやね」とか「廊下の右側を落ち着いて歩いているね」というように,「できて当たり前のこと」をあえて褒めるということです。「赤信号を無視しないで止まれたね」というのと同じです。子たちから「いや,そんなん当たり前やん」と返ってきそうですが,そうなればしめたもの。「決まりだから守る,ではなく自分で『当たり前やん』と思っているのが立派やなあ」と,さらに褒められそうです。


上に書いたことは2つとも,「褒める」というよりも「認める」という感覚に近いかもしれません。教師同士では「価値づける」と言ったりもします。「本人は何とも思わずに(当たり前に)していること」を「実は大したことなんやで」とか「結構すごいことなんやで」というように認め,価値をもたせるということです。
そのために私がよく使う言葉が,「それ,いいね」です。

休み時間にリコーダーの練習をしている姿に「それ,いいね」
今から練習が始まるぞ,と集中している姿に「それ,いいね」
自分の伝えたい言葉を,何度も繰り返す姿に「それ,いいね」
眉毛の上げ下げや口の開き方を確認する姿に「それ,いいね」
舞台裏での「やるぞ」と引き締まった表情に「それ,いいね」 

なんだかいい発表になりそうだぞ。
学習発表会本番前夜,こんなことを考えていました。


★補足★


私の勤務する小学校では,毎週金曜日に翌週の予定表(時間割)と学級だよりを両面印刷で配布します。したがって学級だよりを書くのは遅くても木曜日です。この週は,金曜日が学習発表会という日程でした。いよいよ明日は学習発表会,という日の晩に書いたおたよりを,学習発表会終了後に保護者が読むわけです。

学習発表会終了後に配るおたよりなんだから…と,つい書いてしまいそうになるのが「学習発表会,大成功!」という類の文章です。私は以前書こうとしたことがありますが,書き進めていくうちに,本番での子どものがんばりや,そのときの表情,終わった後の子どもの言葉を書こうというときになって初めて「これは無理だ」と思いました。
以後,「木曜日の晩に書くおたよりには,木曜の晩に書けることを書こう」と割り切れるようになりました。こうやって活字にするとびっくりするぐらい当たり前なんですけどね。


それはともかく,今回書いたものを改めて読み返してみると,「褒める」という行為のおこがましさや危うさのようなものを忘れてはいかんな,と感じます。「褒めてあげる」とか「認めてあげる」というような態度は,子どもはすぐに見抜くでしょう。

どう褒められるかよりも,何を褒められるか。

誰に褒められるか(何を大切にしている人に褒められるか)。

そういうことをもうちょっと考えてみようと思います。続きは別の機会に…。





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