「やめて!」という悲痛な叫び声。大人の世界なら事件か!?と身構えてしまうような言葉ですが,教室では日常茶飯事です。今回は,そんな「短い言葉」の効果と使いどころについて考えてみました。
「やめて!」
★以下 平成23年9月22日学級だより「すきやき」より★
「やめて!」
空き時間,教室に声が響きます。何事かと思って「どうしたん?」と聞いてみると,「○○さんが椅子で机を押してくるねん」とのこと。「そうかー」と言いながら,さらに尋ねます。
「ところで,○○さんはわざと押してきたん?」
すると,「やめて!」と言っていた人は,「うーん…」と考えながら,「違う。椅子を下げたら当たったんやと思う」と答えてくれました。
「やめて!」という言葉は,小さな子でもすぐに覚えられるぐらい簡単ですが,「私はあなたにそれをされることが嫌なんだ」という強い非難の気持ちも表します。誰かとぶつかるたびに相手を非難していくのは,あまりいい人間関係とは言えません。
「やめて!」と声を荒げる子どもに「結局,どうしてほしいの?」と聞くと,「ぶつかったことを謝ってほしい」とか「ぶつからないように気をつけてほしい」と言います。それなら,そのために効果的な言い方が他にあるのではないでしょうか。そんな風に聞いてみると,子どもたちは一生懸命考えて言います。
「机に当たったでー」とか「肩に当たったよ」と言葉を変えたり「イタッ,痛いなぁもう」と言い方を変えたり。相手がすぐに気がついて「あ,ごめん」と言いたくなるような言い方にもいろいろあるね,と話しました。
考えてみると,私たちの周りには「やめて!」に限らずいろいろな短い言葉があります。
「なあ,今日帰ったら遊べへん?」
「無理」
とか
「なあ,私の消しゴム見てへん?」
「知らん」
などは,聞き覚えのある言葉です。しかし,これらの短い言葉からは,「遊べない」「知らない」という事実以上に,「そんなこと聞くな」と言わんばかりの冷たさを感じます。シンプルで効果的な短い言葉ですが,子どもたちにとってはまだまだ使いどころの難しい言葉ですね。
★補足★
紙面の都合で,大幅に文章を削りました。読み直してみると,これでうまく意図が伝わったのかという不安が残ります。
・「やめて」「どいて」「来ないで」というような短い言葉って,相手を非難してしまうニュアンスがあるよね,ということ。
・「ムリ」「知らん」「だから?」「あ,そう」というような短い言葉って,場面によってはすごく冷たく感じるよね,ということ。
・子どもがそういう言葉を使うことで,意図せずに相手を非難したり,相手に冷たくしたりしまうことがあるんじゃないかな,ということ。
おおむねこんなことが伝えたかったのですが…。「短い文章」で自分の思いを的確に伝えるのって本当に難しいです。
…「短い言葉」だと,思いがけず伝えすぎてしまうこともあるのにね!
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