2012年4月16日月曜日

保育園の先生の言葉

春休みに娘を連れて動物園に行ったときのことです。
生後4か月半の娘が動物園をどの程度楽しんでくれたのかわかりませんが,ふれあいコーナーのヤギに手を伸ばしている写真が撮れただけで親は満足してしまうのですね。親バカここに極まれり,です。


さてこの動物園,新学期になれば平日は遠足で来た子どもたちでいっぱいになるのでしょうが,この日は春休み中ということで,親子連れがほとんどでした。
普段は意識しませんが,こういうとき「先生」の声というのは目立つものですね。象のコーナーでこんな声が聞こえてきました。

「はーい,○○組さんはこっちですよ」

「象さんがいますね。写真を撮りましょう」

春休み中ですから,保育園の先生でしょうか。娘と象の写真を撮りながら,しばし耳を傾けていました。どうやら写真を撮るために並ぶようです。

「男の子は後ろ,女の子は前にしゃがみましょう」

そんな言葉が気になって見てみると,子どもたちは整然と男女別に並んでいます。みんな同じ制服を着ているのですが,よく見ると男の子は深緑のスカーフ,女の子はピンクのスカーフを身に付けているようです。

いい表情で写真を撮るために,先生は子どもたちに声をかけます。

「女の子,かわいい笑顔でね。そうそう。男の子,かっこいいなあ」

しばらく象を見たあとで,先生がこんな風に子どもたちを呼びました。

「男の子,こっちに並びましょう。女の子はこっちね」

トイレにでも連れて行くのかと思いきや,そのまま次の動物のところへ移動するようです。子どもたちは整然と男女別に並び,先生の後をついていきました。



「男の子」「女の子」ってこうやって「作られて」いくんだね,と皮肉交じりにつぶやくと,保育園で仕事をした経験のある妻はこう言いました。

「管理しやすいんやって」

なるほどな,と思いました。
管理というと聞こえは悪いかも知れませんが,安全管理や健康管理など,子どもを預かる者としては欠かせない仕事。大勢の子どもたちをきちんと管理するには,少人数のグループに分けるのが効率的です。とはいえ未就学の子どもたちに班やグループを理解させるのは大変なのでしょう。そこで「男女別グループ」で管理するわけです。これなら,子どもたちは自分がどのグループに属するのか,考えなくてもすぐにわかります。服装に目印となる違いをつけておけば,管理する側にとってもわかりやすくなります。

それはわかります。それはわかるんですが。

管理しやすくするために「肌の色」で子どもを分けていたら。
管理しやすくするために「居住地」で子どもを分けていたら。

きっと大問題になりますよ。

男女が全く同じとは言いませんが,管理のために必要以上に性差を際立たせることになっているとすれば,それはちょっと違うような気がします。そこから子どもたちが「学んでしまう」ことについての考慮が必要なのではないかと思うのです。

娘の写真を撮りながら,そんなことを考えていました。


現場の先生や保育士の方には,きっといろいろな思いがあることと思います。
ご意見をお持ちの方,ぜひコメントをお願いします。


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